北アルプス 白馬岳 小蓮華尾根 & 双子尾根 2012/04/28-05/01
メンバー: P(CL)、B、R
天候: (28日)晴れ、(29日)晴れ、(30日)曇り時々雨、(1日)晴れ、
タイム:
<4/28>
新宿駅(前日23:54)<電車>白馬駅(05:40-05:55)<バス>猿倉(06:25-06:50)→猿倉台地=BC(07:40-09:30)→小日向ノコル(10:30-11:40)→猿倉台地(12:10)
新宿駅(前日23:54)<電車>白馬駅(05:40-05:55)<バス>猿倉(06:25-06:50)→猿倉台地=BC(07:40-09:30)→小日向ノコル(10:30-11:40)→猿倉台地(12:10)
<4/29>
猿倉台地=BC(03:35)→白馬尻(04:20-04:30)→主稜線(12:30-12:40)→小蓮華山(13:00-13:20)→三国境(14:10)→白馬岳(15:30-15:40)→頂上小屋(15:50-16:00)→白馬尻(17:30)→猿倉台地=BC(18:25)
猿倉台地=BC(03:35)→白馬尻(04:20-04:30)→主稜線(12:30-12:40)→小蓮華山(13:00-13:20)→三国境(14:10)→白馬岳(15:30-15:40)→頂上小屋(15:50-16:00)→白馬尻(17:30)→猿倉台地=BC(18:25)
<4/30>
猿倉台地=BC(06:15)→小日向ノコル(07:15-07:30)→樺平(09:05-09:25)→ジャンクションピーク(12:10)→杓子岳(13:20-13:45)→小鑓手前(15:00)→最低コル(16:15-16:25)→白馬尻(17:25)→猿倉台地=BC(18:45)
猿倉台地=BC(06:15)→小日向ノコル(07:15-07:30)→樺平(09:05-09:25)→ジャンクションピーク(12:10)→杓子岳(13:20-13:45)→小鑓手前(15:00)→最低コル(16:15-16:25)→白馬尻(17:25)→猿倉台地=BC(18:45)
<5/1>
猿倉台地=BC(09:35)→猿倉(09:55-10:10)<バス>白馬駅(10:40)→みみずくの湯(10:55-11:55)→白馬駅(12:10-12:25)
猿倉台地=BC(09:35)→猿倉(09:55-10:10)<バス>白馬駅(10:40)→みみずくの湯(10:55-11:55)→白馬駅(12:10-12:25)
GW、なかなかもらえない連休に白馬で合宿を行うことになった。前夜発3泊4日、猿倉台地にベースを張り、そこから小蓮華尾根と双子尾根を攻めるというもの。各々仕事の都合もあるのでベースを作り、途中参加もしやすいようにしたが、参加者は結局3名。まあこんなもんよ・・・とやさぐれるCL。
28日
前日23:54発のムーンライト信州号はいつになく満席。登山客が大半を占めている。ホームにて夕食をビールで流し込み乗車。3人ともすぐに寝入った。
5:40白馬駅に到着。快晴で美しい姿をみせる山々にテンションが上がる。本日開通のバスに乗り猿倉へ。駐車場はほどほどに埋まっているがまだ停めるスペースは十分ありそう。
小屋の前を通って林道を進み、適当なところで左に上がっていく。日が照り早くも汗が流れる。広い平らな所に出た。これが猿倉台地という。
なるほど、何十張もテントが設営できそうだ。少し吟味して白馬岳を見据えるところに天幕を張る。以前CLが来た時は、少し下ったところに水場があったそうだが今年は雪が多いせいか水の流れはない。
早く着いたが今日はどうしようか。鑓温泉まで行ってこようということになる。小日向ノコルまで約1時間。いつ雪崩れてもおかしくないような急斜面に向かい進む。スキーヤーやボーダーが上がっているけど大丈夫なのだろうか。左の樺の木がある急な雪面を上がっていく。小蓮華尾根の様子がよく見え、明日のルートを確認。小日向ノコルに出ると杓子岳、白馬鑓が大きく聳える。明後日はここから双子尾根に上がるのだ。鑓温泉からの湯気に目を凝らすが一向に見えず、沢のトラバースもあるし片道3時間の行程だから明日のことも考え双子岩で水を汲んで戻ることにした。
双子岩、確かに水は出ているが、ちょっと過ぎる。ポタポタ垂れる水を3人で根気よく溜めて何とか本日分を確保。コッヘルを持ってくればもっと早く溜められただろう。山々を眺めながら気持ちよく下り、台地へ戻った。
さて、まだ12時を回ったばかりだが何をしようか。明日の小蓮華尾根は時間がかかりそうなので本日は18時就寝予定とするがそれにしてもまだ夕食まで4時間近くある。枝に腰かけ景色を肴に焼酎を飲む。それにも飽きてテントに入り、お昼寝。
夕食はソーセージ鍋で〆はうどん。ベースを張ると重量を気にせず美味しいものが作れる。
夕食も終盤になったところで、CLから小蓮華尾根の登り口の偵察を兼ね、林道に下って水を汲んでくるという。あ~、昼の暇な時間に何で思いつかなかったのかっ!既に17時半だがまだ明るく、一人でサッと行ってきた方がよいとの判断。プラティパスを託し、見送った。18時過ぎに帰還。林道へはすぐに下りられる所を見つけたとのこと。18時半就寝。
29日
2時起床。寒くはなく、満点の星空。主稜には点々と明かりが付き、続々と上がっていくのが見える。はやっ。ネギ入り塩ラーメンで朝食をすませ3:35出発。
10分弱で林道に下り、すぐに沢で水を補給。林道から沢沿いに白馬尻へ。小蓮華尾根への取り付きを探しながら行くが、暗くてよく見えないが明らかに上がるのは難しそうだ。白馬尻に着くと白じんできて様子が分かるようになった。白馬沢の末端から小蓮華尾根の左端の岩を回り込んで尾根に上がるのがよさそうとなる。
尾根に上がる雪面はかなり急だが蹴りこみながら上がっていく。最後は藪の木のぼりで細い稜線に出た。昨日小日向ノコルからみた末端より一つ左の尾根上。かなりのナイフリッジで滑らないよう慎重にすすむ。その尾根はすぐに終わり、隣の尾根に出るにはかなりの急な雪面を上がらなければいけない。平らな所で1本入れ、ルートを見定める。藪に入った方が崩れる心配は少ないが藪より雪壁の方が気持ちいい。CLの後に付き慎重に上がる。結構急だ。滑ったら確実にヤバイので絶対に滑らないよう心して登る。最後はやはり藪を這い上がった。
尾根を進むが、木が出てきてはその下は割れている。慎重にルートを見極め、木を回り込んでは進むを繰り返し、ようやく1948mの合流点に出た。何とも歩きにくく消耗する。広いところに出て休憩。次の斜面もルートとりに悩む。崩れる恐れが少なければ雪面を、崩れやすそうなところは藪を行く。途中深く潜ることもしばしばで先頭を行くCLの消耗は激しいことだろう。日差しが強い。藪に入ったり、雪面に入ったり繰り返しながらやっと2300m付近まで来た。
事前の調査で稜線に出る手前に脆くイヤな岩場があるとの情報があった。実際に上がってみると乗った傍からガラガラと崩れていく。しっかりしたスタンスもホールドもない。怖くて進めなくなってしまった。後ろにいたBは右から行けそうとのことで先に上がった。CLより左に雪が付いているところの方が登りやすいと言われこわごわ慎重にトラバース。崩れることを前提に素早く進むしかないと言われるが、次に足を置く前に崩れたら…と頭を過り進めない。亀の歩みでやっとのこと雪が被ったところに出た。しかしここもだいぶ急だ。特に最後…。しかし脆さはマシである程度ホールドがある。ザイル出そうかと言ってもらうが、ハーネスをつける安定した場所がない。何とか行けるだろうと思い進む。岩に掴まり蹴り込むが硬い。岩の上に被った雪の下は凍っていた。でもここまできたら行くしかない。私がもたもたしているので途中助けに来てくれたCLの足元も崩れ始める。つま先だけ引っかかった状態で思いきれないでいると大丈夫と励まされ、あっちこっちと指示してもらいながら何とか這い上がった。喉がカラカラになるとはこのことか。そこからも同じような岩場が少し続いたが、脆さはだいぶマシで切り抜けた。
雪面を行ってズボズボ潜っては、ガレ場や藪に入ったりしながら進む。ちょうど生え変わりなのか体が白く首がグレーの斑模様の雷鳥に出会う。最後は雪面をひだすら登り、主稜線に出た。
白馬尻から8時間。乗鞍岳、その向こうに戸隠、妙高、火打山がみえる。小蓮華山まではなだらかだが30分ほどかかった。白馬岳方面から来る人とすれ違う。既に足がかなり重い。風が強くなってきた。三国境は新潟、富山、長野の三県の境界とのこと。コースタイム40分のところ50分かけて通過。完全にバテている。
何度か短い急な雪面をゆっくり上がり、ようやく白馬岳山頂に着いた。主稜の出口である雪屁のトンネルを探したがそれらしきもの見つからず。剱岳、毛勝三山など広がるが、時間もないので山座同定もそこそこに山頂を後にした。
営業中の白馬山荘を通過、16時まだ閉まっている頂上宿舎前からシリセードで大雪渓を下る。どんどん下るCLからかなり引き離されてしまった。最後はフラフラで雪に足を取られ何度も転びながら白馬尻まで。それでも1時間半で下った。恐るべしシリセードの威力。林道途中で水を補給し、猿倉台地まで最後の登り。18:25BC到着。行動時間は15時間に及んだ。さすがに疲労。
トマトスープスパゲッティの夕食をとり明日の相談。双子尾根の予定だが、10時間以上が予想される。できれば鑓も往復したいとCL。Bはテントキーパーを申し出るが、CLより手厳しいお言葉が。明日は4時起き6時出発の予定とし21:30就寝。
30日
目覚ましをかけたのに不覚にも二度寝し結局起床は4:50。天気はパッとしない。Bは行けるところまで行ってみます、とのこと。急いで辛ラーメンの朝食をとり準備。6:15出発。スキーヤーがスキーを履いたまま小日向ノコルまでの急斜面を登っている。こちらはラッセル泥棒しながら快調に上がる。小日向ノコルは2組テントを張っていた。Bよりペース上がらず引き返すとの申し出あり。ここから2人での行動となる。
緩やかなアップダウンを繰り返し、双子尾根を進む。ここは下山に使うことが多いようで、数組とすれ違った。途中藪こぎ&木のぼりあり。CLより前回同時期に来た時は雪面だけだったと。今年は雪が多いけど10年前と比べると温暖化しているのか。十分に休憩をはさみながら9時樺平到着。
広い雪原に大きな樺の木が1本立っている。ここから様相は変わり、急な雪面がずっとずっと続く。途中岩があり、最後の岩と岩の間を通った後からトレースが追えなくなる。ジャンクションピークまでどれ位かかるのだろう。
踏み跡は逆方向から、つまり下りのもので大股に崩されており、新たにステップを作った方が楽なところが多かった。10~15分毎にラッセルを交代しながら進む。途中風が強い。振り返れば樺の木がだいぶ低いところにあり、曇ってはいるが気持ちの良い雪壁歩きである。
随分上がり、前回同行者が足を切ったという岩場に来た。フィックスロープに掴まり岩に足をかけるが、どうしても左足がいいところまで上がらず、CLのピッケルに掴まって引き上げてもらった。そこから岩を回りこみ、草つきの狭く急な岩場を這い上がる。厳しいところだったが、ハイマツに足をかけると滑らず上がることができた。
上がるとナイフリッジが続く。雨が降ってきて風も強いので少し進んで安定した所でカッパを着た。やはりヤッケではなくカッパを持ってきてよかった。
ジャンクションピークがしっかり確認でき、そこから数名下りてくる。アイゼンをつける時間はなさそうだし、まだ着けなくても大丈夫と判断しこのまま行くことにする。樺平で休んで以来、休憩らしいものはとっていなかった。猛烈に空腹を感じ、ジャンクションピークまで我慢できず途中で1本入れる。
風が強く、杓子尾根と合流するJPを通過、ここからひと登りで杓子岳山頂のはず。途中アイゼンをつけた。山頂まではところどころ急登と岩場があり慎重に進む。振り返ると今辿ってきた道が一望され爽快。白馬岳、前日の小蓮華尾根がはっきり見える。写真をとりながらゆっくり登った。13:20山頂着。
鑓の往復にはかなり微妙な時間になってしまった。でも行けるところまで行ってみたい。タイムリミットを15時に設定した。杓子から鑓をみるとほとんど雪の付いていない岩場に見えた。コルまではガレ場でアイゼンなしの方がよいだろうとはずす。しかし所々残った雪は凍っており、やはり脱ぐべきではなかったと後悔した。登りになってからも凍った雪面は緊張を要し、途中で再びアイゼン装着。棒の立っている小鑓の手前まであがったところでタイムリミットとなった。あと少しだがここで引き返す。
杓子には戻らず下のトラバースを行く。途中雪が深くなり何度もズボった。当初昨日と同じ白馬頂上宿舎前から大雪渓を下りる予定だったが最低コルから小雪渓を下った方が早いとCL。シリセードで一気に下る。大雪渓より格段に滑る。加速してトレースを外れ転がってまた元に戻り再び滑るというおきあがりこぼしの様な技を披露。童心に返りはしゃぎながら滑り降りた。雪渓はデブリだらけ。今日あちこちから不気味な音がしていたことを思い出す。1時間で白馬尻に到着。
小蓮華尾根の取り付きを確認しながらに林道に出た。冷たい沢の水で顔を洗い台地まで登り返す。18:45幕場到着。
Bは日差しのせいでテント周囲の雪が解け、傾いたテントを移動し、水を汲んでいてくれた。最終日は生米を炊き、野菜とベーコンのカレー。翌日は帰るだけなのでゆっくり飲み、Bへのダメ出しに胸が痛む頃お開きにし就寝。
1日
最終日6:40起床。ほうれん草入りマルタイラーメンで朝食のあと、帰りの準備。支度は早く済んだが猿倉まであっという間に下りてしまうので30分程名残惜しく過ごした後、猿倉台地を後にする。それにしてもここは登山者よりスキーヤー&ボーダーの方が圧倒的に多いところだ。猿倉から10:10のバスに乗り白馬駅へ。
次の電車は12:25。この接続の悪さは何??こうなったら温泉でしょう。駅で片道徒歩15分程の温泉を教えてもらい、汗を流した。12:25白馬発の大糸線に乗り、松本でスーパーあずさに乗り換え帰路に着く。(R)