三国 荒沢山 カドナミ尾根~足拍子岳 南峰西尾根 2012/02/18-19
メンバー: P(CL)、M(SL)、R、E
天候: (18日)雪、(19日)晴れ
タイム:
<2/18>
新宿駅(前日22:30)<レンタカー>越後中里駅(02:35-06:23)<電車>土樽駅(06:30-06:55)→カドナミ尾根取付(07:10)→稜線(13:00)→荒沢山(13:10-13:15)→雪洞作り(13:20-15:20)雪洞泊
新宿駅(前日22:30)<レンタカー>越後中里駅(02:35-06:23)<電車>土樽駅(06:30-06:55)→カドナミ尾根取付(07:10)→稜線(13:00)→荒沢山(13:10-13:15)→雪洞作り(13:20-15:20)雪洞泊
<2/19>
雪洞(07:30)→足拍子岳(12:25-13:10)→カドナミ尾根取付(16:20)→土樽駅(16:45-17:35)<タクシー>越後中里駅(17:45-17:55)<レンタカー>三軒茶屋(23:00)
雪洞(07:30)→足拍子岳(12:25-13:10)→カドナミ尾根取付(16:20)→土樽駅(16:45-17:35)<タクシー>越後中里駅(17:45-17:55)<レンタカー>三軒茶屋(23:00)
18日
17日の夜、新宿駅でレンタカーを借り、関越道を越後湯沢で下り土樽駅を目指す。週末に寒波が到来し天気が崩れることは想定していたが、まさか都内から雪とは。昨年1月の雪の中を稜線までで敗退した悪夢がよみがえる。
高速を下りると一般道の両側は2m超の雪壁となっており、やがて土樽駅手前800m程のところでバリケードに塞がれ通行止めとなっていた。車を捨てての徒歩、適当な場所での幕営を考えたが、下山時に雪で車が閉じ込められる恐れがあるため、越後中里駅より始発電車で土樽駅まで行くこととする。本日は越後中里駅でステビバとなる。
5:30起床し、6:23の始発に乗り込む。土樽駅でパッキングをして行動開始。外は天気予報のとおり終日止む気配のない雪であり時々風が強い。これから先が思いやられる。2月という時期、折からの降雪で昨年以上のラッセルを想像したが、以外にも雪は絞まっておりワカンを装着すると膝下までしか潜らない。また、先週末の名残と思われるトレースもあり、800m付近まで遠慮なく拝借する。
雪とともに風も強まり体感温度は下がる一方だが、順調に高度を稼ぎ、一回の休憩を挟んだだけであっという間に昨年の幕営ポイントを通過、そのまま稜線へ一気に進む。稜線付近では風雪が強まり、ホアイトアウトとなる。わずか先の荒沢山(1300m)までも慎重を要した。これ以上の行動は厳しいと判断。本日の行動はここまでとして、今山行メインイベントの雪洞堀りを開始する。
カドナミ尾根が稜線へ合流するところにちょうどいい雪庇が張り出しており、若干急斜面ではあったが、トラバースしながら掘り出す。スコップ2本を使用し、約2時間で4人が快適に過ごせる空間が出来上がった。
外の吹雪とは無縁の空間で、すかさず焼酎のお湯割りで本日の労をねぎらう。ほろ酔い加減で食糧担当Rのきりたんぽ鍋をいいただき、過去の山の話で盛り上がるころ、腕時計の高度表示が徐々に下がりはじめ高気圧の到来を予感させる。明日の天候回復を願いながら21:00頃就寝する。
19日
5:30起床。快晴である。足拍子岳がようやく姿を現し、眼下には関越道、JR上越線がはっきりと確認できる。気がはやり早く発ちたかったが、朝食、登攀装備の支度と時間がかかり、出発は7:00をまわってしまった。
風もなく踏み跡もない真っ白な雪稜を歩くと、やせ尾根で足元は心許ないが、自然と笑みがこぼれる。
まもなく切れ落ちた懸垂下降ポイントに到着。支点となる木を目視で確認できたが、この支点までも雪庇が張り出しておりフリーは危険と考える。まずPのピッケルを支点として5mほど懸垂(Eはロアーダウン、最後Pはフリー)。更に、木を支点に10m程懸垂をした。
後で気づいたのだが、われわれが通過しPが確保していた場所はキノコのように張り出た雪庇の上であった。
その後、ますます尾根は痩せていき急峻となっていく。Rが滑落しかけたり、雪庇を踏み抜かぬようルートを見定めたりと気が抜けない。傾斜45°程の雪面からPがトップとなり、ゆっくりとステップを切って進む。核心部と捉えていたナイフリッジも側面にしっかりと雪が張り付いておりザイル確保なく通過。
ここを過ぎると足拍子岳まで突き上げるだけである。ラッセルを交代しながら徐々に詰めていく。頂上付近は雪が深く、ワカン装着でのしんどいラッセルを強いられたが、まさに快晴のなかで登頂。最後は思わずダイブ。
山頂はもちろんわれわれだけである。昨日の荒沢山、谷川の山並みなど360°の展望を満喫。30分ほど休憩し下山する。
足拍子岳から稜線へ下山途中にEが雪面を10m程滑落。傾斜が緩かったため自力で止まり事なきをえた。
下山に考えていた南尾根は以外と遠く、更なるラッセルを強いられること、土樽駅がはっきり確認できることから、南峰から西へ派生している支尾根を下ることとした。雪崩に細心の注意を払いながら、樹林帯と名もなき尾根を2つつなぎ高度を下げていった。
終盤は尾根も尽きてしまったため、やむなく沢沿いをラッセルで下る。やがて見覚えのある小屋が現われ、カドナミ尾根取付まで戻る。
しかしシンドイ山行であった。(M)