飯豊 北股岳~朳差岳 2011/10/08-10
メンバー: T(CL)、D
天候: (8日)曇りのち雨、(9日)晴れ、(10日)晴れ
タイム:
<10/7>
上野駅(20:50)<新幹線>米沢駅(22:54)ステビバ
上野駅(20:50)<新幹線>米沢駅(22:54)ステビバ
<10/8>
米沢駅(05:57)<米坂線>小国駅(07:27-08:00)<バス>飯豊梅花皮荘(08:50)→飯豊山荘(09:35-09:55)→滝見場分岐(12:10)→五郎清水(13:20-13:50)→梶川峰(14:20)→扇ノ地紙(15:10)→門内小屋(16:00)幕営
米沢駅(05:57)<米坂線>小国駅(07:27-08:00)<バス>飯豊梅花皮荘(08:50)→飯豊山荘(09:35-09:55)→滝見場分岐(12:10)→五郎清水(13:20-13:50)→梶川峰(14:20)→扇ノ地紙(15:10)→門内小屋(16:00)幕営
<10/9>
門内小屋(05:20)→門内岳(05:30)→北股岳(06:15-06:30)→門内小屋(07:00-7:20)→地神北峰(08:40)→頼母木山(09:00)→頼母木小屋(09:50-10:05)→大石山(10:20)→鉾立峰(11:05)→朳差小屋(12:00)幕営
門内小屋(05:20)→門内岳(05:30)→北股岳(06:15-06:30)→門内小屋(07:00-7:20)→地神北峰(08:40)→頼母木山(09:00)→頼母木小屋(09:50-10:05)→大石山(10:20)→鉾立峰(11:05)→朳差小屋(12:00)幕営
<10/10>
朳差小屋(05:30)→朳差岳(05:35-05:45)→長者平(06:00-06:15)→前朳差岳(06:45)→林道終点(09:10)→大石ダム<タクシー・米坂線・新幹線>都内
朳差小屋(05:30)→朳差岳(05:35-05:45)→長者平(06:00-06:15)→前朳差岳(06:45)→林道終点(09:10)→大石ダム<タクシー・米坂線・新幹線>都内
T、Dで晴れの特異日を利用しての飯豊連峰紅葉狩り登山を計画。
7日
夜、上野駅で落ち合い、米沢に向かう。週末の東北へ向かう新幹線は大混雑。車両デッキ部分にザックを置いて、ビール、ワンカップを飲んでいたが、大宮駅で乗客が更にどっと乗り込んできて、座り込んで酒を飲むことも許されなくなった。結局立ったまま米沢駅へ到着。駅構内で寝る交渉を試みたが、にべもなく断られてしまい締め出される。駅前の居酒屋で軽く飲んで体を温め、駅前でシュラフを広げて横になった。
8日
始発の米坂線に乗車。飯豊連峰の入り口である小国駅で下車する。小国駅からは飯豊山荘までバスに乗る予定だったが、梅花皮荘で降ろされてしまう。どうやらオンシーズンである9月以降は路線が短縮されてしまうようだ。梅花皮荘から飯豊山荘までは予想外に1時間弱の林道歩きを余儀なくされてしまった。飯豊山荘から飯豊連峰へはいくつかの尾根筋と、有名な石転び沢を登るルートが考えられるが、今回は時間を考慮し梶川尾根からのアプローチ。登山客を何組か見送るが、殆ど丸森尾根を登っていくようだ。飯豊山荘で梶川尾根の水(五郎清水)の状況を聞くが全く要領を得ず、ルート状況が分かる従業員もいないようだ。山荘の体裁はとっているが実態は温泉旅館ということなのだろう。やむなく2人で8リットル程度の水を担いで登ることにする。
10時前に登行開始。いきなりの急登で息が切れる。湯沢峰まではおよそ600メートルの高度を稼がなければならず、急登につぐ急登。すぐに汗だくになる。コースタイムでは湯沢峰まで2時間半となっていたが、快調に飛ばし1時間近くを短縮。最初の余計な林道歩きのロスを取り戻した。湯沢峰からは一気の下りとなり、再度登り返すことになる。滝見場分岐あたりで雨がポツポツと降り始め、五郎清水手前で本降りに。五郎清水の道標が立つところは開けた場所になっており、ここでザックを降ろし大休止。ロープの張られた急な岩場を降りると五郎清水から引かれたホースが出ている。心配していた程水量は少なくなく、綺麗な水を調達できた。行動食を取って休憩していると登山客が下ってきた。日帰りで丸森尾根を登り、梶川尾根を下る途中だという。その人曰く、紅葉の一番の見どころは朳差岳付近らしい。ここまでの登行で「紅葉はイマイチか」と思い始めていたところだっただけに、朳差岳の燃えるような紅葉に期待が高まる。五郎清水を過ぎると雨は止んだが、徐々に気温が下がり始める。扇ノ地紙はすっかりガスで覆われ、更に風も強くなり始めた。16時頃門内小屋に到着。小屋の下方に広場がありテン場となっている。先客は3張程度。天幕へ潜り込み、すっかり冷えた体を焼酎で温め、野菜たっぷりのモツ鍋をご飯にぶっかけて夕食とする。
9日
4時頃起床。夜半から風は天幕をビュービュー吹き続けているが、天幕から顔を出すと星が見える。天気はよさそうだ。本当は今日下山する予定だったが、五郎清水ですれ違った登山客の言葉通り朳差岳の紅葉が素晴らしいものであれば、急いで下山してしまうのはもったいない。また昨日の様子で地図のコースタイムが相当いい加減なものだと分かった。最終日も余裕をもって下山が可能であろうということになり、急遽、本日は朳差岳泊とし、ゆっくり飯豊連峰を楽しむことにした。
不要な荷物を門内小屋にデポし、明るくなるのを待って、北股岳を往復すべくレインウェアの上にダウンを着込んで歩き始める。水たまりが凍りつき、霜付きの草が強い風に揺れる。飯豊の冬の到来も秒読みだろう。6時過ぎに北股岳登頂。門内岳方面が朝日に焼けて美しい。雪渓の崩壊が進む石転び沢も見える。こりゃあ詰めがキツそうだ。次回はこちらを登ってみたい。日が昇ると風もすっかり収まった。天候に恵まれ、門内小屋から頼母木小屋までは優れたハイキングコース。縦走路からの山また山の眺望は想像通りで満足のいくものだった。惜しむらくは紅葉が思ったほど進んでいない(終わってしまった?)ことか。
頼母木小屋では小屋締めの準備が着々と進んでいた。本日が最終日らしい。「ビール700円」の看板発見!話を聞けば最終日価格で「500円で構わない」という。かくしてザックは更に重くなった。
大石山を経由し、その名に相応しい急な登りを強いられる鉾立峰を越えると朳差岳も目と鼻の先。やはりコースタイムより相当早い12時過ぎに朳差小屋に到着すると、早速小屋隣りに天幕を張ってしまった。
ここでも言われている程の紅葉の色づきはなかった。ただ、天気が良く、歩いてきた縦走路が遠くの方まで見渡せて、日本海の水平線も見える。山深い場所にいるという実感はとても心地よく、ビールを一口飲んでしまって、紅葉なんてもうどうでもよくなってしまったというのが本当のところ。もしTが今日中に下山すると言っても断固反対しただろう。
そのTはと言えば、そんな心配をする必要もなく、早速地元の登山愛好家とビールと地図を片手に「あっちの山は…、こっちの山は…、」と嬉しそうに山談義に熱中している。まぁ、たまにはこんな頑張らない山行もいいのではないだろうか。
ビール、焼酎と飲み進め、いい加減酔いも回ったあたりで暗くなり、レトルトカレーを食べてシュラフに包まった。
10日
4時頃起床。今朝も風は強いが、好天が期待できそうだ。5時半に権内尾根から下山を開始する。朳差岳を過ぎてすぐの長者平は散在する池塘と草紅葉が美しく印象的。前朳差岳に向けて進む途中に朝日が完全に顔を出した。山々に横から光が当たると赤と黄が映えて光り、今回の山行の中では最も心を動かされた紅葉であった。
権内尾根は昭文社の地図では点線で記されており難路となっているが、全くそんなことは感じられない。他の登山者によれば、朳差岳から大石ダムへと続くもう一つの尾根道、大熊尾根は悪路ということだが、権内尾根は綺麗に刈り払いが入っている他、登山道もはっきりとしており迷うこともまずあり得ない。
千本峰を過ぎ樹林帯へ突入すると急な下りが連続し、高度をグンと下げていく。いつも感心するのだが、TはDの父親とほぼ同じ年齢でありながら、下りの足は異常に早い。Dは「ホイホイ」と掛け声をあげながら小走りで下るTに付いていくのがやっと。濡れた落ち葉が積もって滑る登山道を、あのスピードで転ばずに歩けるのが不思議で仕方ない。体力だけでは如何ともし難い登山の経験値の違いをヒシヒシと感じる。Tはたまに振り返ってニヤニヤしながら「おせーぞ!」と声を掛けてくる。アンタが早いんだよ!次回は登りで後ろから尻をつついてやることにしよう。
結局、2時間近くコースタイムを短縮し林道終点へ到着。東俣彫刻公園からはタクシーを呼ぶつもりが携帯の電波が届かず、やむなく大石ダムまで歩くことになってしまった。
飯豊連峰への初めての山行は、時間の関係で北部のごく一部を歩くに留まったが、この山域の懐の深さを感じることができた山行だった。(D)